最善の選択なるもの
答えなどない。
最善の選択なるものもない。
そんなものがあれば、
生きることに誰も苦労はしない。
何が正解かを決めるのは自分自身や、
あるいはその時の社会だろう。
人はなんでも最善を選びたがる。
それはそうだ、最も良い選択というものがあるのなら、
誰だってそちらを選びたいだろう。
それはなぜだろうか？
失敗を許されないからだ。
一度間違えば終わりだと思っているからだ。
でも実際はどうだろう、
例えばこうして世界規模の変化のさなか、
果たして最善などというものはあるだろうか。
もしあったとしても、
そこにたどり着くときに間違えないなどということが
可能だろうか。
それって、世界を何巡した人？
そんなの無理でしょう。
私たちはいつも間違いを恐れる。
一度でも誤れば二度と修正できないと思っている。
実際、人生で二度と修正できない間違いなど、
たぶんほとんどない。
修正できない時は、死ぬ時だろう。
それ以外に、間違えたままの人生なんて
そんなことあるわけないのだ。
人生は何度でも間違えていいし、
何度でも修正していいはずだ。
「いやいや、
間違えたら周囲に迷惑がかかる」
と思っている人、
そういう思い込みを持っている自分自身、
相当迷惑な人間だと自覚すべきだ。
そういう人は大抵人の間違いにも不寛容だからだ。
不寛容な人間こそ迷惑な人間はないと思う。
間違えることは普通のことだし、当然のことだ。
私たちは初めて生きる人生、
初めて生きる世界なんだから。
間違えたなら、謝ればいいし、
修正が必要なら即座に行えばいい。
そうして少しずつ、
いびつにまがった線をつないで、
最善を目指すのだ。
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