ヒトの矛盾がおもしろい
三密を回避せよ。
東京都知事はそう宣言した。
ヒトとは画面越しに。会わないように。近寄らないように。
不要不急の外出を避けるように。友達と会えない。帰省できない。電話で我慢。
外出するときは使い捨てマスク布マスクフェイスガード。
みんなの命を守るためにはとてもとても大切なこと。
命が大事、経済も大事。だから仕事は仕事でがんばってね。
だけどそれ以外は不要不急だから外に出るのはやめようね。
みんなが我慢してるんだから、みんなで努力してみんなでコロナに負けないようにがんばろう!
そう思っていましたよ。ええ、日本国民ですから。集団行動の大切さはなによりも大事なことだと理解しています。
昨日日食を見た後、ある人から言われました。
「人間というのは密の中で生きているんです。人と出会い、交流しなければ子孫も残せません。密を回避すると言うことは、人類の衰退を意味します。続ければ人は必ずほろぶでしょう」
三密回避は人類を滅ぼす。
命を守るために密を回避せよ、という行為が、
結果的に種の断絶につながる可能性を秘めた行動だと言うこと。
たった数か月、自粛したくらいで何を言うとんねんという人もいるかもしれない。
現に国内旅行を活発にしようという趣旨の支援策が出て、人々は遠い地への往来を始めた。
でもコロナウイルスをのことを知っている人間なんて、まだ地球にいないのだ。
このウイルスがどうなっていくのかを知っている人は誰もいない。
どんなに化学が発展しても、未来を完璧に予測することができない以上、これから先どうなるかなんてわからない。
もしかすると数百年後には、「2020年のあの時から、人類の衰退は始まった」などという歴史書があるかもしれないし、あるいは誰も記録を残せないし読まないかもしれない。
命を守る行動が、種を断絶させるかもしれない。
その矛盾がなんだかとっても面白い。
人間の行動はいつも矛盾している。
現在の地球環境以外では生活できないのに、自分たちでそれを壊す。
人の科学技術の発展のためと言いながら、人を殺す兵器を作る。
自分だって傷つきたくないのに、人のことは平気で傷つける。
矛盾だらけのくせに、「人間は素晴らしい、自分たちは正しい」と嘘をつく。
そんな人間がすごくおかしい。
馬鹿なのに賢いふりをして、誰かのためと言いながら自分のために行動する。
そんな人間がすごく面白い。
果たして未来はどうなるんだろうか。誰にもわからないけれど、きっとそれを知ることができるのは、何も知らない次世代なのだ。