生きてることが辛いなら
生きてることが辛いなら
いっそ小さく死ねばいい
恋人と親は悲しむが
三日と経てば元通り
気が付きゃみんな年取って
同じとこに行くのだから
森山直太朗『生きてることが辛いなら』
例えばあなたが親友から、大切な人から「しにたい」と言われたとき、
あなたは何て返すだろうか？
死ぬのが怖いと言う人もいれば、
死んだ方がマシと思うほど苦悩している人もいる。
たぶん、「しにたい」と思ったことのない人にとって、
自殺は最も残酷で卑怯な悪のように感じるかもしれない。
死んだら負けだ、と誰かが言っていたのをごまんと聞いた。
それは一度もしにたいと思ったことのない人の幻想だろうと思う。
人生で一度でも「しにたい」と思うと、人はその「しにたい」を一生抱えて生きる。
例えばそれを乗り越えて、忙しく幸福そうに見える現実に生きていても、
一度「しにたい」と思った気持ちは消えなくて、
時限爆弾を抱えるようにずっと心に残り続ける人もいる。
そして、何かのきっかけでいつ爆発するかわからない。
そういう危うさを常にはらむ。死と生は常に隣りあわせだ。
だからもしもそんな時限爆弾を抱えてしまったとき、
もういっそ、生きてる限り続くのだと受け入れるしかない。
「しにたい」と思う気持ちを持つこと自体を否定しちゃいけない。
そう思ってしまうほどに現実はめちゃくちゃだから。
「しにたい」と思う気持ちを否定しない。
その気持ちを持つこと自体が罪ならば、優しい人は皆罪人だ。
優しい人ほど、現実に心痛めるから。
しにたいと思う気持ちはなんなのか、何に心を痛め、悲しみ、辛いと感じるのか。
現実はあまりに人の気持ちをおろそかにしている。
社会構造はまるで、心のない使い捨ての駒のように人を扱う。
それに心を痛めることのなにが悪いというのだろう。
何も感じない人のほうが、きっと自分がくるっていることにすら気付いていない。
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