勇気を持って、立ち止まる時
『夢をつかむイチロー262のメッセージ』
打てない時期にこそ、勇気を持ってなるべくバットから離れるべきです。勇気を持ってバットから離れないと、もっとこわくなるときがあります。そういう時期にどうやって気分転換をするかは、すごく大事なことです。
うまくいかないことがある。どれだけ時間を尽くしても、依然と同じようにできない。むしろひどくなる。なぜ不調なのかわからない。ただ結果が出ないことだけが如実に表れる。
そういう状態のことを「スランプ」と呼ぶが、日本人として、この響きはあんまりその時の心情と合致しない。
スポーツ選手じゃなくても、こんな状態になる事はよくあることだ。
自分の場合、簡単に言えば「絶望」だった。
なぜできないのかわからない、できなかったという結果だけが積み重なる。いつもと同じように練習し、いつもと同じように準備しているつもりなのに、できない。
周囲から「らしくないね」なんて言われたりすると、余計に落ち込む。
こういう時必要なのは、やっぱり「言葉」だ。
一度距離をとってみよう。別のことを考えて、別のことをして、おいしいものを食べたりお風呂にゆっくり入ったり、星を眺めてふとんにくるまる。
時にはその脱出に、数か月も数年もかかるかもしれない。
そんなのざらだ。だれだって不調の時はある。
だってあの一流の選手でさえ、バットを置く日があったのだから。
これから先も長く続くかもしれない人生の中で、立ち止まって、休憩して、リラックスる。
そういう時間があったって、いいじゃないか。
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